作り手の想いが伝わる手づくり日用品!海老名の道具屋さん「季節(とき)」

毎日を支えてくれる日用品。手頃に手に入る大量生産のものは便利ですが、ひとつずつ心を込めて作られた道具を使うのもすてきですよね。

海老名駅東口を出て少し歩き、レンブラントホテルを少しこえたところに、小さな道具屋さんがあります。

今回は手仕事でつくられた日用品を取り扱うお店、「暮らしを楽しむ道具たち 季節(とき)」さんをご紹介します。

日本中から集められた日用品

「暮らしを楽しむ道具たち 季節」さんのオープンは2019年2月。

「店主がたどり着いた日用品」をコンセプトに、日本中から集めた手仕事の日用品を取り扱います。

取り扱っている日用品は、陶器やガラス、ザル、木工、ほうきなど。どの品物も、作り手さんに直接お会いして仕入れています。

現在は50人以上の作り手さんの商品が集まり、さまざまな商品を手に取ることができますよ。

さまざまな伝統工芸品も

伝統工芸品の職人さんの多くはご高齢の方で、後継者不足も多いそうです。

江戸時代寛政年間(1789〜1800)創業で現在9代目、栃木県の益子町で続く「日下田藍染工房」さんも後継不足にあるそう。

職人さんはいるのですが、工房を継いでくれる後継者が身内にいないのだそう。伝統工芸品の継承の難しさを感じました。

竹細工は作るのに多くの時間が必要な品物です。しかし買い手が少ないため、伝統をつなぐのが難しいんだそう。

また、竹細工には使用する竹の種類が限定されるものもあります。商品によっては使用している竹がとれなくなってきているものもあるんだとか。

竹がとれなくなることで、職人さんが減ってしまうという問題も起こっているそうです。

あけび蔓細工で作られたカゴも、たくさん取り扱っています。どこか懐かしく、落ち着いた雰囲気のあるカゴはとてもすてきですよね。

しかしあけび蔓細工も原料調達が難しくなっている伝統品なんだそう。あけび蔓がとれなくなり、現在はとても貴重になっているそうです。

伝統工芸に関しては暗い話題が多いのですが、後継ぎとして活躍されている方もいます。

その代表は木村元さんです。木村元さんは、益子焼の陶工で「魔法の手」と称された故木村三郎さんの息子さん。

木村元さんは現在も作陶を続け、木村三郎窯を守り続けているそうです。

すてきなマグカップを購入!

今回私は、秋田の楢岡焼のマグカップをお迎えしました。

楢岡焼の歴史は140年以上で、秋田県内で最も長い歴史をもつ焼物だそう。また、地元の土を採取して作り続けられています。

作業工程をざっくり説明すると、粘土を採取→電動ロクロで成形→釉薬となります。

しかし、実際は粘土採取、ロクロでの成形、釉薬のそれぞれで細かな作業があり、時間をかけて作られています。

陶器の厚み、釉薬の量や色味が一つ一つ違うのも楢岡焼のおもしろさだそうです。

軽くてシンプルながら、すてきなグラデーションに惹かれて購入。コーヒーを淹れるのがたのしくなりました。

あたたかな想いに包まれた季節さんに行ってみよう

店主さんはとても気さくな方。商品について尋ねると、作り手さんの思いや商品の背景について丁寧に教えてくださいました。

最初は店主さんの趣味で始めたというお店ですが、もう少しで5周年を迎えます。

好きなことに向き合う店主さんと、店主をかげで支える娘さんのすてきな親子関係に、胸があたたかくなりました。

今回お店を訪れたことで、さまざまな問題をかかえながらも、伝統の灯を絶やさないよう作品を作り続ける職人さんがいることを知りました。

「民芸品や伝統工芸品の魅力に触れ、使ってくれる人が少しでも増えたら」

そんな想いで、店主さんは民芸品や伝統工芸品の魅力を届け続けています。

なお、毎週月曜日には海老名市内の清水園芸さんの野菜販売を行っているそうです。

とれたての新鮮野菜や、スーパーでは見かけない珍しい品種が並びます。

お米の収穫時期は清水園芸さんが忙しいため、11月上旬からしばらく野菜販売はお休みするそう。再開したらぜひ新鮮な野菜も手に取ってみたいです。

「暮らしを楽しむ道具たち 季節」さんは、あたたかな想いに包まれた手仕事品に出会えるお店。

ぜひ気軽に訪れてみてくださいね。

暮らしを楽しむ道具たち 季節
住所: 神奈川県海老名市国分南 3-3-17 ハイツサンコウ102号
アクセス:小田急小田原線・相鉄線「海老名駅」より徒歩約14分
電話番号:046-409-0727
営業時間:11:00-18:00(不定休)
定休日:木曜・土曜を中心にSNSでお知らせ
駐車場:なし
Instagram:@kurashi.toki

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。