今回紹介するのは、東京農業大学厚木キャンパスで開催される「収穫祭」。「農」の最先端である農大ならではの個性的な展示や模擬店、さらには野菜の無料配布など、見どころ盛りだくさんの学園祭です。
農大に入学して以来毎年、収穫祭を楽しんできた私だからこそ断言できる、全厚木市民必見の学園祭。在学生だけで盛り上がる内輪ノリの雰囲気は全くありませんので、気軽に訪れてみてください!
開催は11月。東京農業大学厚木キャンパスで開催

「東京農業大学厚木キャンパス収穫祭」は、例年11月ごろに東京農業大学厚木キャンパスで2日間にわたり開催されるイベントです。2025年第26回となる今回の開催日時は、11月1日・2日の2日間でした。
会場までのアクセスは、小田急線本厚木駅南口から「東京農業大学」行きのバスで約15分ほど。終点「東京農業大学」で下車後、徒歩約1分ほどで会場の正門に到着します。

徒歩・自転車での来場者の場合、長谷門と体育館側からの入場も可能です。会場内に駐車場はありません。
食の秋を体現した彩りあふれる模擬店・即売店コーナー

訪れてまず感じたのは、思わず食欲をそそる匂い。
42店舗に及ぶ模擬店や即売店が、正門から学生会館までの道なりに所狭しと出店していました。定番の焼きそばやわたあめはもちろん、食と農を専門とした農大特有の模擬店も際立っています。

こちらは手軽に食べられるジャンキーな風味が特徴のパスタスナック。周辺でお酒が販売されていたらより最高だったかも?


こちらはうま塩鶏鍋(500円)。冷え込み始める11月初旬だからこそ、五臓六腑に染み渡るおいしさでした。

農大生が丹精込めて育てた新鮮野菜を全品100円で販売していました。

屋台飯の他にお子さんも喜ぶバルーンアートも出店。


大学の敷地内で収穫・採取した材料から製造した食料品やハンドメイドインテリアなど、純農大産の即売店も魅力的ですね。

学生会館では焼きたてパン屋の「BunBun」が大行列を作っていました。私が在学生だった頃もよく利用していて、売り切れになるほどの人気ぶりだったのを覚えています。

農大生協(東京農業大学生協)が手掛ける学生食堂「レストランけやき」では、いつも以上の品ぞろえで営業していました。



農大生協の購買部に並ぶのは、食品を中心としたお土産にオススメの品々。大学付属の農場や畜産場から生産した食品や、卒業生が生産した農産物を数多く取りそろえています。農大の技術力と人脈の深さが反映された品ぞろえでした。
農大ならではの文化学術展は、まさに遊べる博物館!
農大ならではの文化学術展も欠かせません!今年は31もの研究室やサークルが出展していました。
農学に特化した有数の大学だけあり、展示ブースも有数の個性が光ります。
「大学の研究って堅っ苦しくて、素人にはわからない」なんて思っている方ほど、むしろ訪れてほしい楽しい展示ばかりです!


一面サツマイモとツタで囲まれた斬新なブースは、「園芸学研究室」の展示コーナー。ブース中央にそびえるサツマイモの山はゼミ生が収穫したもので、インパクト絶大!

サツマイモのほぼ全品種を実物付きで紹介していました。実物を用意し断面まで見せることで、サツマイモの色彩・質感・おいしさまで表現しており、博物館顔負けのクオリティです。


サツマイモは植え方や育て方一つで差が出るという結果を、実物の比較でわかりやすく証明しています。頭で理解させるのではなく、肌で理解させようとする見せ方が面白いですね。


園芸学研究室では、他にも全国47都道府県の名産果実を紹介。
説明と生産地がピン差しされた都道府県のジオラマが、47都道府県ひとつひとつ作られているので、学生達の手間暇が伝わってきます。ブルーベリーの生産量1位が東京なのは意外ですね。

イスにポンっと置かれた完熟前の青バナナ。スーパーや市場に出荷されるころにはすでに黄色になっているので、この状態を枝付きで見られるのは珍しいです。

リアルなクマの剥製が思わず目を引く「野生動物学研究室」の展示です。
国内外問わず野生動物の調査と研究に明け暮れる研究室で、調査道具や野生動物の剥製や映像を展示していました。

こちらはシカやイノシシの水浴び場で知られるヌタ場。まるで調査地へ赴いたかのように錯覚してしまうリアルな再現性です。

こちらは「動物生殖学研究室」です。独自の研究や調査を擬似的に体験できるコーナーが盛りだくさんでした。

牛の直腸検査を体験できます。内臓を調べる際の検査で、直接牛の尻に自身の手首を突っ込んで検査するのだとか。ここではビニール手袋越しに牛の子宮の感触を感じることができます。

普段お目にかからない実験器具の体験です。写真のピペットは極めて繊細な操作性で、慣れるのに苦労したのを覚えています。研究室の学生達が日頃味わう小さな苦労までも体験できるのは、卒業生の私からしても感慨深いです。


実験用マウスの飼育ゲージや、キャンパス内で管理している畜舎のジオラマまで、非常に手の込んだできばえでした。

こちらは「家畜宛」のふれあい体験です。


農大付属の畜産農場「富士農場」から来た、牛・ニワトリ・アヒルがお出迎えしてくれました。


中でも常に行列の絶えない人気が、ヒヨコのふれあい体験です。写真は生後わずか1ヶ月程度のヒヨコで、半年もたたないうちに立派なニワトリになるといわれています。
それを踏まえると貴重なかわいさに思えてしまいますね。
今回紹介したのはほんの一部。どの展示も各々の研究室やサークルの特色を活かしたものばかり。「農大ってこんなに楽しいことをしてたんだ!」とイメージがパッと変わるかもしれませんね。これほどのクオリティをわずか2日間しかお目にかかれないのが口惜しいです。
大根配布や神輿。収穫祭を代表する特大イベントは必見!
農大の魅力を2日間にギュッと詰め込んだ数多くのイベントも見逃せません。

体育館ではダンス・演奏・バンドなどのステージ企画が絶えず開催されていました。
学園祭のステージ企画となると、有名人を呼び込むのがスタンダードですが、農大では出演者全員が純度100%の農大生!にもかかわらず、会場と観客が一丸となる大盛りあがり。最前列の座席より前方は、立ち見客であふれかえっていました。

収穫祭の毎年恒例といえば大根の無料配布。ものすごい人気で、開催30分前から長蛇の列を作っていました。写真は開催終了後の会場写真ですが、開催中は写真をとる暇もないほど大勢の人でにぎわいます。

今回手に入れた品種は、緻密な肉質が特徴の「夏かなで」。がっしりとした重量感がおいしそうです。

14時には神輿の練り歩きが開催されました。厚木キャンパスの農学部を構成する農学科・動物科学科・生物資源科学科・デザイン農学科の4学科が、毎年新しく神輿を制作しています。


「いーけいけいけいけ神輿!」「神輿持ってこーい!」。このヤケクソかつ爽快な掛け声は、まさに若さと熱意あふれる農大生そのもの。魂揺さぶる盛大な迫力で観客を魅了していました。
ちなみに今回披露された神輿は収穫祭終了後に解体して、来年に向けて新しく作り直すのだとか。この日のためだけに丹精込めて制作され元気よく担がれた神輿もまた、残り少ない青春を謳歌する農大生そのものかもしれません。
他にも大根の収穫体験や堆肥の無料配布・クリスマスの飾り作りなど、紹介しきれなかったイベントもたくさん。じっくり楽しんでいると全部を回りきれないほどの充実具合でした。
食と農をテーマとした秋を思わせる祭典に、農大独自のアカデミックな雰囲気を取り入れた一風変わった学園祭が「東京農業大学厚木キャンパス第26回収穫祭」。
農学部のみのキャンパスにもかかわらず、収穫祭を一言で言い表すのが困難なくらいのボリュームでした。次回の開催が楽しみですね。
東京農業大学厚木キャンパス第26回収穫祭
住所:神奈川県厚木市船子1737
アクセス:小田急線「本厚木駅」南口14番バス乗り場から「東京農業大学」行き乗車約15分。「東京農業大学」下車後、徒歩約1分
TEL:046-270-6220
開催日時:2025年11月1日(土)9:00-18:00
2025年11月2日(日)9:00-18:00
駐車場:なし





















