海老名|福祉と学びのひととき「えびなボランティアフェスタ2025」

日常の中で、福祉に触れる機会はありますか?
今回は、海老名で開催された「えびなボランティアフェスタ2025」をご紹介します。

会場となったのは、海老名駅から徒歩約5分の「海老名市立総合福祉会館」。
海老名駅西口のデッキから「ロマンスカーミュージアム」横の階段を降りると、広くゆったりとした遊歩道が続きます。その道を歩くと真正面に海老名市立中央図書館が見え、その隣にあるのが「海老名市立総合福祉会館」です。

当日は海老名市ボランティア連絡協議会に加入する9団体をはじめ、さまざまなボランティア団体がブースを出展。飲食、体験、展示と多彩なプログラムで会場はにぎわっていました。

福祉支援への第一歩──クリームパンが笑顔を運ぶ

会場入口付近には、パンや綿菓子、ポップコーン、お菓子すくいのブースが並んでいました。

中でも目に留まったのは、社会福祉法人成和会「はぁとすまいる」のブース。

販売していたのは、クリームパンやラスク、たまご蒸しパン、クリスマスカラーの赤いビスケットなどの焼き菓子。素朴な見た目ながらぎっしりと並ぶおいしそうなパンや焼き菓子に、多くの来場者が足を止めていました。

娘もいろいろ悩んだ末に、1個240円のクリームパンを選びました。濃厚なクリームがたっぷり詰まったパンに「おいしい!」と大満足。

おいしいものを買うことが、誰かの支援につながる──そんな気軽な関わり方も、福祉への第一歩なのかもしれません。

会場を包む優しい音色──AQUAMUSEのバスクラリネット演奏

会場の一角から聞こえてきたのは、クラリネット奏者・中村奈央さん率いるクラリネットカルテット「AQUAMUSE」の生演奏。

奈央さんが奏でるのは、通常のクラリネットより大きく低音が魅力のバスクラリネット。
その深くやわらかな音色が会場全体を優しく包み込み、立ち止まる人、椅子に座って聴き入る人、自然と笑顔になる人。音楽の力で、訪れた人々の心が和んでいくのが伝わってきました。

手で伝える”ありがとう”──手話ミニ体験とデフリンピック

手話サークル「さつき会」のブースでは、手話での挨拶に挑戦。
「ありがとう」「ごめんなさい」といった日常の言葉を、手の動きで表現する新鮮さに娘も興味津々。スタッフの方が娘の名前の表し方まで丁寧に教えてくださり、少しずつ手話でのコミュニケーションができる喜びを実感しました。

今年2025年は、4年に一度開催される「デフリンピック」が初めて東京で開催されました。聴覚障害者のスポーツの祭典が日本で開催されることで、手話への関心も高まっています。
言葉だけではない、心を伝える方法があることを親子で学ぶ貴重な体験となりました。

イスに座ったまま体も心も軽くなる──マナハナヨガ

実はこのボランティアフェスタの存在を知ったのは、以前こちらのブログ記事でご紹介した、りえ先生の「ヨガサークルMana Hana Yoga」から。
「出展するのでぜひ来てください」と教えていただき、この日を楽しみにしていました。

「簡単椅子ヨガでスッキリしよう!」のブースで、娘と一緒に参加。
椅子に座ったまま首や鎖骨まわりをゆっくりと伸ばしていきます。「こんなに伸びるんだ!」と驚く娘の表情を見ながら、普段伸ばすことのない部分がグッと伸びる感覚を一緒に体感しました。

会場のにぎわいの中で、ほっとひと息つけるリラックスの時間となりました。

そばにいるだけで癒される──ESDが教えてくれた“支える力”

ウェルフェアポート湘南の協力による、ESD(エモーショナルサポートドッグ)のデモンストレーションもおこなわれていました。

ESDとは、精神障害や発達障害のある方をそばで支える“心のサポート犬”のこと。そばにいるだけで安心感を与え、人の気持ちを穏やかにしてくれる特別なパートナーです。

当日はミディアムプードルの2ヶ月のナッシーちゃんが来場し、抱っこする体験もできました。驚くほどおとなしく、どんな場面でも声をあげずに担当の方の後ろをついて歩く姿は、日々の訓練を積んだESDならではの落ち着き。
会場の空気がふっとやわらかくなるような存在感で、娘も「かわいい」と目を離せない様子でした。

地域のイベントでESDの役割を身近に感じられる貴重な機会となり、私自身も “そばにいるだけで支えになる” という言葉の意味を改めて実感しました。

あなたの周りに、心の支えを必要としている人はいませんか?ESDのように、”そばにいるだけ”でできる支援があることを、このイベントは教えてくれました。

福祉をもっと身近に感じた一日

駅から会場までの道のりや、各ブースでの体験を通して、福祉は思っているよりずっと身近な存在だと感じられました。
クリームパンの温かさ、深くやわらかなクラリネットの響き、心も体も軽くなる椅子ヨガ、手の動きひとつで心を伝える手話、そしてESDのやさしいまなざし。

「触れる・伝える・そばにいる」という小さな体験の積み重ねが、地域の中での“支え合う力”を自然と感じさせてくれます。
もっと普段の生活に目を配り、みんなが気持ちよく暮らせるように協力できることは何か、私たちに何ができるだろうか?そんなことを考えさせられた一日でした。

心があたたかくなる「えびなボランティアフェスタ」。次回開催時にぜひ足を運んでみてくださいね。

えびなボランティアフェスタ2025
住所:神奈川県海老名市めぐみ町6-3海老名市立総合福祉会館
アクセス:JR相模線、相鉄本線、小田急線「海老名駅」から徒歩約5分
TEL:046-232-1600
開催日:2025年11月9日(日)
開催時間:10:00-16:00

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。